DX推進(デジタルトランスフォーメーション)が進む職場では、聞き慣れない用語が飛び交う会議が増えるものです。その結果、自分の知識不足に焦りを感じる人もいるでしょう。

40代・50代になってから新しい知識を学ぶのは不安かもしれませんが、「資格取得」という明確な目標があれば体系的に学習を進められます。実際に、働きながらでも無理なく取得できる資格は少なくありません。

本記事では、40代・50代におすすめしたいリスキリング資格10選をご紹介します。メインはDX・IT分野ですが、ビジネス・経営系や公務員向けの資格にも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

40代・50代におすすめのリスキリング資格|DX・IT分野

資格名難易度学習期間受験料合格率
ITパスポート易しい2〜3ヶ月7,500円約50%
情報セキュリティマネジメント易〜普通1〜2ヶ月7,500円約70%
基本情報技術者普通3〜6ヶ月7,500円約40%
G検定易しい1〜3ヶ月13,200円約70〜76%
MOS易しい1〜2ヶ月12,980円推定約80%

DX・IT分野の資格は、業種を問わず需要が高まっています。とりわけ40代・50代は、限られた時間で学びやすい資格から入ると負担を抑えやすいでしょう。おすすめの資格をいくつかご紹介します。

ITパスポート

IT知識の入門として最適な国家資格です。ネットワークやセキュリティの基礎から、経営戦略、プロジェクトマネジメントまで幅広く学べます。

合格率は約50%で、IT知識がゼロでもしっかりと対策すれば合格を目指せます。実際、40代・50代の受験者は年々増えており、IT用語に苦手意識がある方の第一歩として選ばれています。社内でDX推進の話題が増えているなら、この資格から始めるのがおすすめです。

情報セキュリティマネジメント

ITパスポートの次のステップとして位置づけられる国家資格です。サイバー攻撃への対策や情報漏えいの防止に加え、社内ルールとなるセキュリティポリシーの考え方まで学べます。現場で判断に迷いがちな「何を守りどう運用するか」を整理できる点が強みです。

この資格がおすすめなのは、DX推進の担当者や管理職など、情報の扱い方を周囲に示す立場の人です。たとえば、部下のセキュリティ意識を底上げしたいときも、共通言語として役立つでしょう。

基本情報技術者

IT人材を目指す方の登竜門とされる国家資格です。アルゴリズム、プログラミング、データベース、ネットワークなど、ITの専門知識を体系的に学べます。

学習期間は、IT実務経験者なら3〜4ヶ月、初学者なら5〜7ヶ月が目安です。ITエンジニアを目指す方はもちろん、業務改善やシステム導入に携わる方にも役立ちます。

G検定(ジェネラリスト検定)

AI・ディープラーニングの基礎知識を証明できる資格です。日本ディープラーニング協会が実施しており、AIを事業に活かすための知識を体系的に学べます。

学習時間は30〜50時間が目安です。ほかのIT資格と比べて短期間で取得できるため、忙しい社会人でも挑戦しやすいでしょう。また、合格率は70〜76%で推移しており、受験資格の制限もありません。文系出身やAI未経験でも十分合格を目指せます。

この資格は、DX推進の担当者や経営層にも人気があり、「AIで何ができるか」を理解したい方におすすめします。

Microsoft Office Specialist(MOS)

Excel・Word・PowerPointの実務スキルを証明できる資格です。合格率は約80%と高く、すでに使っているツールを体系的に学び直せます。

Excelは使えるものの、関数やピボットテーブルは自己流という方は多いはずです。MOSの学習を通じて正しい使い方を身につければ、業務効率が大きく向上します。資料作成のスピードが上がり、残業時間の削減につながるでしょう。

事務職や管理部門の方はもちろん、日常的にOfficeを使うすべてのビジネスパーソンにおすすめです。

40代・50代におすすめのリスキリング資格|ビジネス・経営分野

資格名難易度学習期間受験料合格率
簿記検定3級易しい2〜3ヶ月3,300円約40%
簿記検定2級普通3〜6ヶ月5,500円約21〜36%
FP3級易しい2〜3ヶ月8,000円約70〜85%
FP2級普通4〜6ヶ月11,700円約40〜50%
中小企業診断士難しい12〜18ヶ月約32,000円1次約24〜28%2次約18〜20%

ビジネス・経営分野の資格は、業種を問わず活用できるのが特徴です。経理・財務・金融の知識を体系的に学べる資格を紹介します。

簿記検定2級・3級

経理・財務の基礎知識を体系的に学べる定番資格です。

3級では仕訳や決算書の読み方など基本を学び、2級では工業簿記や連結会計など実務的な内容に踏み込みます。合格率は3級が約40%、2級は統一試験で約21〜28%、ネット試験で約36%が目安です。

この資格は、経理部門への異動や配置転換を考えている方に向いています。また、管理職として財務諸表を読む機会が増えた方にもおすすめです。取引先の経営状況を分析できるようになれば、営業活動にも活かせるでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)2級・3級

保険や税金、年金、投資、不動産、相続など、お金に関する知識を幅広く習得できる資格です。仕事に役立つだけでなく、自身のライフプラン設計にも使えます。

金融機関や保険会社で働く方はもちろん、総務・人事部門で従業員の福利厚生を担当する方におすすめの資格です。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルティングの国家資格です。経営戦略から財務・会計、マーケティング、人事・組織まで幅広く学ぶため、会社全体を俯瞰して課題を整理する力が身につきます。現場の改善だけでなく、数字と方針を結び付けて話せる点が強みです。

管理職として経営者と対話する機会が増える人は、学んだ知識がそのまま武器になるでしょう。40代・50代で経営に関わるポジションを目指すなら、取得しておきたい資格です。

40代・50代におすすめのリスキリング資格|公務員向け

資格名難易度学習期間受験料合格率
行政書士難しい8〜12ヶ月10,400円約10〜14%
宅地建物取引士普通6〜9ヶ月8,200円約15〜18%

ここでは、公務員や準公務員の方が、セカンドキャリアや専門性向上に活かせる資格をご紹介します。

行政書士

法律知識を体系的に習得できる国家資格です。許認可申請書類の作成、契約書・遺言書の作成など、法律に関する幅広い業務を担えます。

合格率は10〜14%前後と難関です。ただし、公務員として一定年数(高卒で17年など)行政事務に携わった方は「特認制度」により試験が免除され、無試験で資格取得を目指せます。40代・50代の公務員であれば、勤続年数により対象となる可能性が高いため、まずはご自身の経歴が要件を満たすか確認してみてください。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産取引の専門資格です。取引の重要事項を説明し、契約書類(35条・37条書面)に記名できるのは宅建士に限られます。つまり、資格があることで「不動産取引の要所を担える立場」になれるのが強みといえます。

この資格が向いているのは、不動産や土地に関わる業務に携わる人です。たとえば公務員なら、都市計画やまちづくりの分野で知識を活かしやすいでしょう。また、民間企業への転職を視野に入れる人や、総務として社有資産の管理に関わる人にも人気があります。

リスキリング資格選びの3つのポイント

資格を選ぶ際は、以下の3つのポイントを意識してみましょう。

今の仕事に活かせるか

資格は取って終わりではなく、実務で使ってはじめて意味を持ちます。現在の業務や今後担当したい業務に直結する資格を選ぶと、学習のモチベーションを保ちやすくなるでしょう。「この資格があれば、あの仕事を任せてもらえるかもしれない」と具体的に想像できると、学びの優先順位が決まりやすいです。

学習期間と難易度が現実的か

働きながら学ぶなら、無理のない計画が欠かせません。1日1〜2時間の学習時間を確保できるかを考え、まずは2〜6ヶ月程度で取得できる資格から始めるとよいでしょう。ただし、中小企業診断士や社会保険労務士などの難関資格は、1年以上かかることもあるため、公式情報で事前に確認しておくと安心です。

いきなり難関を目指すより、小さな成功体験を重ねるほうが続きやすくなります。

取得後の需要や将来性があるか

DX・IT分野は今後も人材ニーズが伸びやすく、AIやデータ分析の知識は職種をまたいで活用されています。長期目線でキャリアを組むなら、学んだ内容を別の業務にも転用しやすい領域を選ぶと、投資が無駄になりにくいです。

リスキリング資格取得に使える補助金制度

資格取得には費用がかかりますが、国の補助金制度を活用すれば負担を大きく抑えられます。ここでは、個人で利用できる主な制度をご紹介します。

教育訓練給付金(厚生労働省)

種類給付率上限額対象資格の例
専門実践教育訓練最大80%年間64万円看護師、介護福祉士、保育士、社会福祉士などの養成課程、IT系資格講座(専門実践指定講座に限る)
特定一般教育訓練最大50%25万円FP、宅建士、キャリアコンサルタント、IT系資格講座など
一般教育訓練20%10万円ITパスポート、基本情報技術者、簿記、MOSなどの資格対策講座(※講座によっては特定一般に該当)

教育訓練給付金は、雇用保険加入者を対象に、講座の受講費用の一部が支給される制度です。転職を前提にしなくても利用できるため、今の会社で働きながら学び直したい人に向いています。

リスキリング支援事業(経済産業省)

リスキリング支援事業は在職者向けの制度で、受講費用の最大70%(合計56万円まで)が支給されます。特徴は、キャリア相談とセットで利用できる点で、キャリアコンサルタントに相談しながら学習計画を立てられます。

補助は段階的に支給され、修了時点で50%を受け取れます。転職を前提にしないため、スキルアップしたい一方で転職は迷っている人でも使いやすいでしょう。加えて、転職が成立すると残りの20%が追加で支給されるのも魅力です。

補助金を活用する際の注意点

補助金を利用するときは、申請のタイミングと要件を先に押さえることが大切です。

特に注意したいのは申請期限で、多くの制度は受講開始前に手続きを済ませます。受講後に申請しても給付対象にならないため、申し込み前に確認しておきましょう。

あわせて、対象講座かどうかもポイントです。すべての資格講座が対象ではないので、公式の検索システムで事前に調べておくと判断が早くなります。

最後に、修了要件を確認してください。一定の出席率や試験の合格が求められることがあり、条件を満たさないと給付を受けられないこともあります。

リスキリング資格に関するよくある質問

リスキリング資格について、よく寄せられる質問にお答えします。

50代でもリスキリング資格取得は遅くないですか?

遅くありません。むしろ、これまでの実務経験と資格を組み合わせることで、即戦力として評価されやすくなります。

実際、50代の受験者は年々増えており、ITパスポートやMOSなど実務に直結する資格から始める方が多くいます。年齢を理由に諦める必要はありません。大切なのは「何歳から始めるか」ではなく「何を学ぶか」です。

リスキリング資格取得にかかる費用の相場は?

資格によって大きく異なります。受験料だけで見ると、たとえば簿記3級は3,300円、ITパスポートは7,500円と比較的手頃です。一方、スクールや通信講座を利用する場合は、数万円〜数十万円の費用がかかることもあります。

教育訓練給付金を活用すれば受講費用の20〜80%が給付されるため、自己負担を大きく抑えられるでしょう。

働きながらでもリスキリング資格は取得できますか?

多くの資格は働きながらでも取得可能です。ITパスポートや簿記3級なら2〜3ヶ月、基本情報技術者なら5〜7ヶ月が目安です。

たとえば、通勤時間にスマホアプリで問題を解いたり、昼休みにテキストを読んだり、スキマ時間を活用している方も多くいます。オンライン講座を利用すれば、自宅で自分のペースで学習を進められます。

独学とスクール、どちらがいいですか?

どちらにもメリットがあり、自分の学習スタイルに合った方法を選ぶことをおすすめします。

独学のメリットは、費用を抑えられることと、自分のペースで進められることです。市販のテキストや無料の学習サイトを活用すれば、受験料だけで資格取得を目指せます。

一方、スクールは費用がかかりますが、カリキュラムに沿って体系的に学べるため挫折しにくいのが強みです。教育訓練給付金を使えば、スクールでも経済的に受講できます。

まとめ|リスキリングで新たな資格取得を目指そう

資格選びで大切なのは、「今の仕事にどう活かせるか」を具体的にイメージすることです。DX・IT分野の資格は需要が高まりやすく、業界を問わず評価される場面が増えています。

補助金制度を活用すれば、費用を抑えながらスキルアップを進められます。自分に合った資格をひとつ選び、学習を始めてください。

リスキリングに関して、詳しくはほかのコラムページもご確認ください。