猛暑と電気代の高騰が続くなか、「東京都に個人で使える補助金があるらしい」と調べ始めたものの、制度名が難しく、都・区・国の制度が入り混じって整理できないと感じていませんか。
対象も申請方法も制度ごとに異なり、期限や予算枠を見落とすと、本来もらえた数万円から数十万円を取り逃すこともあります。
この記事では、エアコン・太陽光発電・防犯カメラ・無痛分娩など、東京都在住の個人が利用できる主な補助制度について、対象者や補助金額、申請方法などをまとめて解説します。
東京都の個人向け補助金の内容とは?
東京都が用意する個人向けの補助金や助成金は、省エネ家電(エアコンなど)、住宅の太陽光発電、防犯カメラ、出産時の無痛分娩、夏の光熱水費軽減など、生活の場面ごとに分かれています。
「補助金」「助成金」「ポイント」など名称は異なりますが、いずれも個人の費用負担を軽減するための制度です。
ただし、申請方法や手続きの時期は制度ごとに異なります。例えば、エアコンは店頭で値引きを受ける方式、太陽光発電は工事前に事前申込を行う方式、無痛分娩は出産後にオンラインで申請する方式です。利用する制度に応じて手続きの流れを確認し、申請時期を逃さないよう注意してください。
さらに、都・区市町村・国はそれぞれ別の制度を持ち、条件が合えば併用できる場合があります。注意したいのは、多くの制度が「予算の上限に達し次第、期限内でも受付終了」という点です。「令和9年3月末まで」といった期限表記だけを見て安心していると、枠が早期に終了する可能性もあります。
まずは「自分に関係する制度はどれか」を絞り込むところから始めてみましょう。
エアコンの補助金はいつまで?

エアコンの買い替え・新規購入の補助は、令和9年(2027年)3月31日までです(予算次第で早期終了の可能性あり)。
東京都の「東京ゼロエミポイント」は、省エネ性能の高いエアコンなどへ買い替えた都民にポイント相当分を還元する制度です。期限は予算の消化状況によって早まる可能性があります。「まだ先」と思っていた枠が締め切られることもあるため、買い替えを考えているなら早めの検討が安心です。
気になる金額は、省エネルギー性能に応じて異なり、通常の買い替えの場合は9,000~23,000円の補助になります。
参照:
高齢者におけるエアコンの補助額
満65歳以上、または障害者手帳を持つ都民は、多段階評価点3.0以上のエアコン購入で一律8万円が値引きされます。
対象になるのは、購入日時点で満65歳以上の都民、または身体障害者手帳・愛の手帳・精神障害者保健福祉手帳を持つ都民です。実施期間は2025年8月30日から2027年3月31日までとなっています。
設置場所は本人の都内の住居に限られ、別居している親族の家への設置や賃貸物件の備品としての購入は対象外です。
「親が自分で店に行けない」という場合は、原則本人申請ですが、心身の状況などで来店できないときは代理人による購入・申請が認められています。家族が代わりに動けるため、離れて暮らす親の熱中症対策としても使いやすい制度です。
参照:
報道発表資料「「東京ゼロエミポイント」による支援を拡充します」東京都
【東京都民限定】最大8万円割引!東京ゼロエミポイントはノジマ! 株式会社ノジマ
エアコン補助金の個人の申請方法について
エアコン補助は2024年10月から個人申請が廃止され、登録販売店で購入する際にその場で値引きされる方式に変わりました。以前は購入後に自分で書類を郵送して申請する形でしたが、現在その方式はありません。
現在は、事前登録された販売店で購入するとき、都民と店舗が共同申請の規約に同意することで、ポイント相当分が購入額から直接差し引かれます。その際に、本人確認書類の提示も必要です。自分で申請書を郵送する手間はなく、店頭で手続きが完結します。
見落としやすいのが購入先です。値引きを受けられるのは登録販売店に限られ、登録されていない店舗や一般的なネット通販での購入は対象外です。なお、店舗によっては決済方法が店頭での現金払いに限られる場合もあるため、注意してください。
購入前に、店舗が登録事業者か、希望の支払い方法が使えるかを確認しておくと安心です。
参照:東京ゼロエミポイント(家庭のゼロエミッション行動推進事業)|クール・ネット東京
電気代が抑えられる太陽光発電・太陽光パネルの補助金

東京都では、家庭で使用する電気を自宅でまかない、光熱費の負担軽減や脱炭素化につなげるため、住宅への太陽光発電設備の導入を支援しています。
この制度は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の一環として実施されており、令和8年度の東京都「家庭における太陽光発電導入促進事業」では、新築住宅は3.6kW以下で1kWあたり12万円・上限36万円、既存住宅は3.75kW以下で1kWあたり15万円・上限45万円です。発電出力がこれを超える場合は単価が異なります。戸建住宅だけでなく、条件によっては事業所や工場への設置も支援の対象となります。
ただし、申請には一定の要件があり、原則として工事契約を結ぶ前に事前申込を行う必要があります。契約や工事を先に進めると対象外となる可能性があるため、必ず手続きの順番を確認してください。
参照:太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業|東京都環境局
太陽光発電の補助金の申請の流れ
申請の流れとしては、まず対象条件や申請期限を確認し、原則として契約前に事前申込を行います。事前申込後に契約・設置工事を進め、工事完了後に交付申請兼実績報告を行います。
工事が完了したら、領収書や工事写真などの必要書類をそろえて実績報告を提出します。報告内容の審査が終わると補助金額が確定し、指定した口座に補助金が振り込まれます。
契約や工事を事前申込より先に進めると、補助対象外になる可能性があるため注意が必要です。また、補助金は工事完了後に支払われる後払い方式が一般的なため、設置費用はいったん自分で用意する必要があります。
暮らしの補助金

電動自転車の補助は区市町村によって異なり、防犯カメラと無痛分娩については個人向けの支援制度があります。
それぞれの制度を次の章で解説します。
電動自転車
「東京都の補助金を使えば電動自転車を購入できる」と期待して調べても、対象となる制度が見つからない場合があります。東京都全体では、電動アシスト自転車の本体購入を支援する制度は実施されていません。
23区では、葛飾区が子育て世帯を対象に独自の購入補助を行っていますが、そのほかの区では、車体本体よりも自転車用ヘルメットの購入補助が中心です。市部については自治体ごとに制度が異なるため、お住まいの市の情報を確認する必要があります。
なお、東京都には「電動バイク(EVバイク)」を対象とした補助制度がありますが、対象は原付などのEV二輪車です。電動アシスト自転車とは別の乗り物であるため、混同しないよう注意してください。
参照:
子ども2人乗せ自転車等の購入費を助成します|葛飾区公式サイト
防犯カメラ
個人宅に防犯カメラなどを設置する場合、東京都の緊急補助を活用した区市町村の助成制度を利用できることがあります。令和8年度における東京都の補助金は、1世帯あたり上限1万円です。
東京都は「防犯機器等購入緊急補助事業」を通じて、区市町村が実施する個人宅向けの防犯機器購入費用の助成を支援しています。対象となる機器には、防犯カメラやカメラ付きインターホン、防犯フィルムなどがあり、空き巣や侵入窃盗、強盗などへの対策として活用できます。
ただし、実際の助成額や対象機器、対象経費、申請期間などは区市町村によって異なります。また、購入前の申請が必要な場合や、設置工事費が対象外となる場合もあるため注意が必要です。
参照:東京都防犯機器等購入緊急補助事業|東京都都民安全総合対策本部
無痛分娩
東京都は対象医療機関での無痛分娩に、最大10万円を助成しています。
出産を控えて費用が不安、という人が検討できるのが、無痛分娩費用の助成です。助成額は最大10万円です。
対象になるための主な条件は次のとおりです。
- 都が公表する「対象医療機関」で出産すること(対象医療機関は都の安全基準を満たした施設です)
- 都内で妊娠の届け出をして母子健康手帳の交付を受け、申請日まで継続して都内に住民登録があること
- 申請は指定フォームによる電子申請で行うこと(郵送は受け付けていません)
- 申請期限は、出産日の翌日から起算して1年以内
どの病院で産むかが可否を分けるため、事前に対象医療機関かどうかを確認し、安全面も含めて医療機関の説明をよく確認して選びましょう。
まとめ:東京都の補助金で迷ったら窓口や専門家に確認する
補助金は制度ごとに仕組みが異なり、予算枠や事前申込の有無、対象となる店舗・事業者を確認できているかどうかが、大切です。
例えば、エアコンは登録販売店での店頭値引き、太陽光発電は工事前の事前申込と設置後の補助、無痛分娩は対象医療機関での出産と電子申請というように、利用条件や手続きの流れは制度ごとに大きく異なります。
また、防犯カメラや電動自転車のように、東京都ではなく区市町村が申請窓口となる制度もあります。
とくに事業者向けの補助金・助成金は、企業規模や業種、従業員数、実施する取り組み、申請時期などによって利用できる制度が変わります。制度名だけを見て判断すると、実際には対象外だったり、必要な手続きを済ませる前に事業を開始してしまったりする可能性もあります。
また、事業者が活用できる東京都の補助金を知りたい場合や、申請までに何を準備すればよいかわからない場合は、補助金・助成金に詳しい専門家へ相談するのもひとつの方法です。社会保険労務士法人グロースアシストでは、事業者向けの助成金に関する相談や申請支援を行っています。利用できる制度やサポート内容については、公式ウェブサイトをご確認ください。