「電気自動車を購入するときに補助金が使えるらしい」と思って神奈川県の制度を調べても、県・市町村・国の補助金が入り混じって検索結果に表示されるため、結局、自分の住んでいる市でどの制度を利用できるのかがわかりにくいのが実情です。
また、補助金によっては、購入や工事の前に申請しなければならないものや、予算の上限に達すると受付を終了するものもあります。制度の存在を知っていても、申請時期や手続きの順番を間違えると、補助を受けられない可能性があるため注意が必要です。
この記事では、神奈川県で個人が使える補助金を目的別に整理し、太陽光やエアコン、EV、補聴器などの対象条件や補助額についてまとめて解説します。
神奈川県の個人向け補助金の仕組み
「神奈川県の補助金」では、神奈川県が全県を対象にするケース、横浜市や川崎市などの市町村が独自に出すもの、そして国が全国一律で実施するものがあります。
また、電動自転車や宅配ボックス、エアコン、補聴器などは県での制度がなく、実施しているかどうか、いくら補助されるかが市町村によって異なります。
同じ神奈川県内でも、隣の市にある制度が自分の市にはない、ということが起こります。
例えば電動自転車の購入補助は、神奈川県内では綾瀬市と厚木市の2市だけが実施しており、横浜市・川崎市・相模原市といった主要都市には個人向け制度がありません。
最初は、お住まいの市町村の公式サイトで「〇〇市 補助金 (設備名)」と検索するか、市役所の担当課へ問い合わせましょう。制度がある場合は対象条件や申請期間がすぐに確認できます。
目的別の個人向け補助金の一覧

神奈川県の個人向け補助金は、省エネ設備・生活関連・交通手段に整理でき、分野ごとに主な実施主体が異なります。
自分に関係する制度を見つけやすくするために、目的別に整理しておきます。下の表は、代表的な分野と主な設備・対象、実施主体をまとめたものです。
| 分野 | 主な設備・対象 | 主な実施主体 |
| 省エネ設備 | 太陽光発電・蓄電池 | 県・市・国 |
| 生活関連 | リフォーム・エアコン・宅配ボックス・補聴器 | 県または市・国 |
| 交通手段 | EV・電動自転車 | 国・市 |
太陽光発電は県・市・国の制度を利用できる数少ない分野です。
一方、宅配ボックスや電動自転車は市が中心で、対象になる市町村が限られます。まずはこの表で自分に関係しそうな分野の見当をつけ、詳しい条件は次の各項目で確認してください。
個人の生活で活用できる補助金の内容
ここからは暮らしと移動の設備を1つずつ見ていきます。補助金の制度は年度ごとに変わり、予算到達で受付が早く終わることもあるため、申請前に必ず公式サイトで最新の受付状況を確認してください。
太陽光発電・蓄電池の補助金
神奈川県は太陽光発電1kWあたり7万円、蓄電池1台あたり15万円を上限に補助し、両方の同時導入が条件です。すでに太陽光発電の設備があり、蓄電池だけ追加したい場合、この県制度は使えません。
また、この補助金は、市町村などが実施する別の制度と併用できる場合があります。
例えば、横浜市のグリーンエネルギーパートナーシップ事業など、居住する自治体の補助制度も組み合わせれば、設備の導入費用をさらに抑えられる可能性があります。対象要件や併用の可否は制度ごとに異なるため、申請前に県と市町村の両方の条件を確認しておくことが大切です。
参照:
「令和8年度神奈川県住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金」神奈川県
住宅のリフォームの補助金と条件
神奈川県の「既存住宅省エネ改修事業費補助金」では、窓の断熱改修などが対象となり、補助額は対象経費の3分の1または15万円のいずれか低い額が上限です。
申請は工事着手の2ヶ月以上前に行い、交付決定後に着手が必要です。
これに加えて、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」もあります。先進的窓リノベ2026事業・みらいエコ住宅2026事業・給湯省エネ2026事業などで構成され、窓の断熱改修や高効率給湯器の導入が対象です。
県と国、さらに市町村の制度を組み合わせられる場合もありますが、同じ工事内容では併用できないなど制度ごとに条件があるため、事前にしっかり確認しましょう。
参照:
「令和8年度神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金」神奈川県
エアコンの個人向け補助は一部の自治体のみ

エアコンの買い替えに個人が使える補助金は、神奈川県内では南足柄市など一部の市町村に限られます。
南足柄市のエアコン補助金では、インターネット通販で購入した製品は対象外となり、実店舗での購入が条件です。ネットで安く購入してから申請しても補助を受けられないため、購入前に対象条件を確認しておきましょう。
対象となるのは、本体価格が5万円以上で、統一省エネラベルの多段階評価点が3.0以上の新品です。補助額は本体購入価格の5分の1で、1台につき最大1万円、1世帯につき合計2台までとなっています。
参照:【受付中】エアコン・冷蔵庫★★★省エネ家電製品買替え補助事業 | 南足柄市
宅配ボックスは市が設置を支援
宅配ボックスの設置支援は神奈川県の制度ではなく、横浜市など一部の市が独自に実施しています。
代表的なのが、2026年度に新設された横浜市の「よこはま安心ボックス設置支援事業」です。横浜市内に住み、自宅に宅配ボックスを設置する人を対象に、市が指定する製品を市場価格のおおむね半額の自己負担額で購入できる制度です。
自己負担額は製品によって異なり、1,800円、1万円、2万円の3種類がありますが、設置工事が必要な場合の費用は全額自己負担です。
申込みは1世帯につき1回限りで、予定数に達し次第終了します。申込多数により予定数に達したため、現在は受付を停止しています。横浜市は今後の対応について引き続き検討中としており、内容がまとまり次第、ウェブサイトで案内するとしています。
参照:【受付を停止しています】よこはま安心ボックス設置支援事業 横浜市
電気自動車(EV)の個人購入の補助金
電気自動車(EV)を個人で購入する場合、国と市町村の補助金を併用できることがあります。中心となるのは、国の「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」で、2026年は普通乗用EVを対象に最大130万円が交付されます。
CEV補助金は経済産業省が所管し、一般社団法人次世代自動車振興センターが申請を受け付けています。ただし、補助額や対象車種、申請条件は年度ごとに変更されます。
また、予算の上限に達すると、受付期間中でも申請が締め切られる可能性があります。中古車や新古車は原則として対象外となるため、購入前に公式サイトで最新の条件を確認しておくことが大切です。
神奈川県では、事業用EVや充電設備を対象とした補助が中心ですが、市町村によっては個人向けのEV購入補助を実施している場合があります。国のCEV補助金と併用できれば、購入時の負担をさらに抑えられる可能性があるため、居住する自治体の制度もあわせて確認しましょう。
参照:
「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」経済産業省
電動自転車は2つの市で幼児同乗用のみ
電動自転車の補助金は、国や県には一律の制度がなく、神奈川県内で個人向けに実施しているのは綾瀬市と厚木市の2市だけです(2026年7月時点)。両市とも対象は幼児同乗用の自転車に限られ、子どもを乗せる目的でない通勤・通学用は対象外です。
また、条件は市によって差があり、厚木市は中古品・転売品を対象外としていますが、綾瀬市は中古も対象とするなど扱いが異なります。防犯登録の有無などの要件もあるため、購入前にお住まいの市の条件を確認してください。
子育て世帯で幼児同乗用の購入を検討している人以外は、現状では補助の対象になりにくいのが実情です。
参照:
【令和8年度】幼児同乗用自転車の購入費用を補助します/綾瀬市
補聴器は高齢者向けに助成がある
神奈川県内では、身体障害者手帳を持っていない高齢者でも、市町村独自の補聴器購入助成を受けられる場合があります。
補聴器の公的支援には、身体障害者手帳を持つ人を対象とした「補装具費支給制度」もあります。ただし、両耳の聴力が一定以上低下していることなどが条件となるため、加齢による軽度から中程度の難聴では対象外になることも少なくありません。
そこで一部の市町村では、身体障害者手帳の対象とならない高齢者に向けて、独自の助成制度を設けています。例えば、中井町では補聴器本体の購入費を上限2万円、清川村では購入費の2分の1を上限5万円まで助成しています。
制度によっては、65歳以上であることや住民税非課税世帯であること、補聴器相談医による診療情報提供書を提出することなどが条件です。対象者や助成額は市町村ごとに異なるため、購入前にお住まいの自治体へ確認してください。
参照:
事業者なら検討したい生産性向上の補助金

ここまでは個人向けの制度でしたが、事業者の方が使える補助金にも触れておきます。
神奈川県の「中小企業生産性向上促進事業費補助金」は、県内の中小企業・小規模事業者などが生産性向上のために行う設備導入を支援する制度です。補助額は申請枠によって異なります。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
| 一般枠 | 500万円 | 中小企業1/2・小規模事業者2/3 |
| グループ化支援枠 | 4,000万円 | 中小企業1/2・小規模事業者2/3 |
| 創業者成長支援枠 | 300万円 | 2/3 |
2026年度の公募は6月・7月・8月に実施され、8月31日をもって申請受付を終了しています。
個人向けの補助金とは窓口も要件も異なり、設備の発注時期を誤ると対象外になることもあるため、申請を検討する段階で早めに要件を確認しておくと安心です。
参照:令和8年度中小企業生産性向上促進事業費補助金 ポータルサイト 神奈川県
まとめ:申請時期を確認して早めに相談する
補助金は、県・市町村・国など制度ごとに対象や窓口が異なり、住んでいる地域によって使える内容も変わります。また、先着順の制度は予算に達すると年度途中でも終了するため、募集期間内でも早めの確認が必要です。
まずは、お住まいの市町村や各制度の公式サイトで最新の受付状況を確認しましょう。併用の可否や対象条件の判断が難しい場合や、事業者として申請を検討する場合は、専門家に相談するのも有効です。
補助金や助成金の申請サポートについては、社会保険労務士法人グロースアシストの公式ウェブサイトもあわせてご確認ください。